2017年9月29日金曜日

生きていたい


あと2か月。

 8月に全ての抗癌剤が終わる。そして10月には放射線が終わる予定だ。

 今年中に再建手術もできるだろうか? その頃引っ越しもある。 学校のことなど心配もたくさんあるが、早く病気を治したい。なんとか元気になりたい。

 毎日そのことばかり考える。

 だいぶ副作用が楽になってきたので、息子に本を読んであげられた。 毎日寝る前に日本の本を読んでいたのだけど、今回の副作用があまりにつらくて、しばらくできなかった。

 いつものように本を読んで話をして安心したのか泣かずにすっと眠れた。

 母親がいつもできることが出来ないというのはとても不安なのだろうと思う。

 日本での生活は楽しかった。あんなに元気で頑張っていたのに。あの健康な日々に戻りたい。

 もう少し早く検査に行けば良かったと思う。発見が早ければ早いほど治療も楽になる。もちろん生存率もあがる。

 今は体力もなく、元気になりたいと思うものの、すぐに「後何年あるのかな」と考えてしまう。今回は特に具合がわるいので、精神的に落ち込んでいる。インナーネットの記事を読むと心配にもなる。

 お腹もすごく痛くなり、もううんざりだ。何もかも嫌になり、叫びたくなる。

 とにかく早く落ち着いた生活がしたいと思う。 この仮の住まいではなくて、本物のホームで。


 この頃毎日怖い夢を見ていた。ドキドキして目が覚める。喉がヒリヒリと焼けつくように痛む。胸もやける。

 泣いている息子をついしかってしまった。

口には出さなかったけれど「もし、ママがいなくなったらどうするの?強くなって!」と心のなかで叫んでいた。

 叱ってしまった後悔と情けなさといろいろな感情でいっぱいになる。





生きていたい。


家族と一緒にいたい。


息子の奥さんや子供が見たい。 


夫と一緒に年を取って行きたい。



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