2017年9月29日金曜日

子宮と卵巣の摘出手術をする


 卵巣は腫瘍があるからしょうがないとしても子宮まで摘出しなければいけないのだろうか? 

 子宮摘出のことを放射線科の大好きなドクターに相談する。

 「それはね、やったほうが良いわよ」という

 「でも怖いんです。子宮を取ったら男になるって、ひげが生えてくるって聞いたから」特に14年間はまだこんな噂が独り歩きしていた時代だ。

 ドクターは豪快にがっはっはと笑い

 「ひげなんて生えないって、だって私は生えてないわよ」

 「え?先生もしたんですか?」

 「そう、子宮摘出手術してるのよ、何十年も前にね」

 目の前のドクターは年上の女性がだ、とても美しかった。男になんて全く見えない。
この一言で決心することができた。






 6月21日 10時に病院入りする。

 一日入院して夕方から下剤を飲み始める。

 お腹を完璧に空っぽにするために4リットル飲む。

 まずい下剤4リットルは本当に辛い。ジュースは飲めると言われたのでジュースを飲みながら下剤を飲み続けた。


 脱水になるので4時頃から水分補給の点滴をつけている。血液を薄くする注射もする。これはかなり痛かった。

 下剤はあまりにもまずく、すごい量だ。飲んでも飲んでも減らない気がする。電話で夫と息子と話をする。

 「ママだいじょうぶ?」
 
 「だいじょうぶだよ!夜ご飯何食べたの?」

 「あのね、マック!へへへ」

 電話を通して聞く声が恋しい、元気になりたい。

 そのためにがんばるのだ。夫も

 「だいじょうぶだよ、明日行くからね。 君はファイターだよ、そのこと忘れないで」

と言ってくれた。






 翌日の22日 朝一番で手術。 7回目の手術だ。

 
 目が覚めてからお馴染みの吐き気、何回もの激しい吐き気が本当に辛い。


 手術は子宮摘出手術。それから卵巣切除手術。 

これは内視鏡手術だ。お腹に4箇所穴が開いている。網でできたような下着をつけていた。

夫と息子がまた大きな花束を持ってきてくれたのだが、目を開けられなかった。


 夜一度血圧が上が79下が49になり、大きな声で名前を呼ばれた。死にかけてると思われたのだ。 お願いだから眠らせてと思った。

 手術の次の日ランチを食べることが出来た。カテーテルもはずしてもらう。はじめて歩くこともできた。


 食べたら退院とわかっていたので、全く食欲はなかったが、お昼に出たグリルドチーズサンドを無理に口に押し込んだ。 夜はチキンレッグ、これもいやいや食べた。早く家に帰りたかった。そしてやっと帰ってもいいと言われる。


 病院は懲り懲りだ。

早く帰りたい。


愛する家族の待つ家に。



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